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『秋の竹』の銀線七宝簪 [櫛・簪(かんざし)]

みなさんGWを如何お過ごしですか?
私は気管支炎を悪化させて半分寝ています。折角の連休なので着物を着たい欲求も高まっているのですが、ちょっと「お預け」状態。でもこのままではネタ切れでブログが更新できなくなるので、引き続き簪を取り上げたいと思います。

私が『秋の竹』と名づけている簪。銀線細工と七宝を組み合わせたものです。前々回に取り上げた牡丹の簪と同じ工法ですが、モティーフで全く違った風情があります。
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さて、何故これが『秋の竹』か。

一番手前の葉っぱの色が七宝で少し黄ばんだ色味であること、そして殆ど剥げてしまっていて判りづらいのですが、向って左の銀線の葉っぱには金がメッキされていた形跡があることから、春の竹を表現したものなのだと思いました。

『四君子』や『歳寒三友』としておめでたい意匠として取り上げられる竹ですが、日本画では『平安』『寒玉』『子孫繁栄』『高節』などの雅号(題号?題款?)があります。冬でも青々と繁り、真っ直ぐに伸びる姿、繁殖力の強さ・・・その様な竹の特性が、それらの名前の所以でしょうか。

余談ですが、京都が『平安京』と呼ばれていたのは、「平安」の別称がある竹が多い土地であった事からとも言われています。

で、『秋の竹』ですが、これは年中青々としているイメージの竹の葉が、春に黄ばんで落ちる事を指します。そう、『秋の竹』とは春の季語なのです。古の日本人にとって「葉が黄ばんで落ちる=秋」だったのでこの名がついたのでしょう。逆に、秋は『春の竹』という季語があります。もちろん、秋に竹の葉が一番青々とする事からこの名がついたのでしょうね。
『竹秋』とは旧暦三月の異称でもあります。

ですからこの黄ばんだ葉っぱをつけた竹の簪は『秋の竹』。本来ならば4月から5月上旬に使いたいものです。う~ん、でも今年は難しいかも。まぁ葉っぱの黄ばみが判りづらいですから、通年使っちゃいますかね(笑)






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七宝の牡丹簪 [櫛・簪(かんざし)]

今日からゴールデンウィークに突入です。
私も10連休にして実家に帰る予定であったのですが、震災後に体調を崩して長期の実家帰りをしたので、今回は止めておくことにしました。よって特に予定も無く終わる連休になりそうです。

何故か3月の末に予定が入る事が多く、この数年はいつも3月末から4月の上旬に帰省しています。それ故に、今年はその時期を外して5月に帰りたかったのです。理由は実家近くの牡丹園に行きたかったから。

その牡丹園は実家から少し山奥に入った場所にあります。『無二荘牡丹園』というのですが、牡丹が美しいのはもちろん、何がすごいって個人宅のお庭であるということ。ご好意で、連休の頃に一般公開してくださいます。
小高い山の斜面全てが牡丹で埋め尽くされ、周りの八重桜や躑躅と共に咲き乱れる光景は圧巻です。昔 祖父が元気であった頃ここを訪れ「まるで天国だねぇ」と言いましたが、本当にその通りだと思います。園内に建てられた俳人・桂樟蹊子の句碑に『雲上に山荘の牡丹あふれんと』とありますが、これも無二荘の情景を上手く詠んでいるなぁと思います。それほどまでに素晴らしい牡丹園です。

実家に居た頃は毎年のように拝見しておりましたが、結婚してからは訪れていなかったので、久しぶりに約1000株の牡丹に圧倒されたいと思っていたのですけどね・・。まぁまた来年ね。


さて『百花王』『花神』『富貴草』『天香国色』・・様々な名前を持つ牡丹。その素晴らしい名前の数々に負けないだけの風格と美しさがあり、大好きな花の一つです。そう、花言葉も『王者の風格』。もはやひれ伏すしかありません。

既に奈良時代には日本に入ってきたといわれる牡丹ですが、その姿の美しさから、昔から絵画着物の柄として好んで用いられています。それ故に古い着物や小物を集めていると、自ずと「牡丹モノ」が増えていきます。このブログでも幾度も「牡丹の~」をご紹介してきましたが、今回は「牡丹モノ」の中で私が一番気に入っている簪を取り上げたいと思います。

銀線細工と七宝で咲き誇る牡丹を模した簪。三越のシールが貼られた桐箱に収められています。シールの「三越」「東京」の文字が右読み横書きになっているので、恐らく戦前のものかと。
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今年のお正月に銀座松屋で開催されていた『日本のおしゃれ展』にも出店されていましたが、似た様なものが池田重子先生のコレクションにあるのを拝見してどうしても欲しくなり、探し求めたものです。池田先生のものは私のものより更に大輪の牡丹。(『日本のおしゃれ展』図録より)
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それでも銀線細工と七宝を組み合わせたものを良い状態で見つけるのは難しく(七宝の部分が割れているものが多いです)、この大きさでも充分満足して購入致しました。
また池田先生のものは大きくドンと咲き誇る牡丹ですが、私のものは風に煽られなびくような風情となっています。これはこれで美しいのかな。
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金細工のおしべや、花弁に乗せられた薄い緑色の七宝が美しく、今にも香り立つようです。
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本当に気に入っているのですが、これもまだ髪に挿したことがありません。やはり季節にも拘りたいですし、何よりもこの風格に負けない着物を着ている時にしか挿せません。髪も美しく結い上げないと、台無しですし・・・。それなりに「気合」を必要とする簪なのです。

誰かこのゴールデンウィーク中に盛大なパーティでも開いてくださいませんかねぇ(笑)







タグ:牡丹

透かし彫りの簪 [櫛・簪(かんざし)]

先日の大江戸骨董市。
ご一緒した華やかな装いのお二人は、お客さんや店の方から「あら、素敵ね!」とよく声を掛けられていらっしゃいました。当然の如く、お二人のお付きの者の様に地味な私の装いは、誰一人に褒められることがありませんでした。

がっ、唯一褒めていただけたのが簪。
こちらがその簪のアップ。ハートのような二つの山の描くラインの中に唐草文様と葉脈の様な文様の透かし彫りがされた鼈甲の簪。山の窪んだ部分に埋め込まれた真珠が上品で気に入っています。
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2~3人のお店の方から「良い簪していますね」と言っていただけました。そして「最近は良い透かし彫の鼈甲がなかなか出ないのよ」とも。私も見ていてそう思います。昔はもう少し透かし彫の入ったものが沢山あったと思うのですが、最近はあまり見かけなくなりました。

透かし彫りされた鼈甲の魅力は、何と言ってもその繊細さにあります。現代モノのブローチなどでも時々透かし彫りした鼈甲のものを見かけますが、アンティークのものと仕事の細やかさが違うように思います。

以前に取り上げているこちらの簪たちも透かし彫りのもの。鯉の方(左)は波を、トルコ石(右)の方はチューリップの様な花が透かし彫りされています。
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こちらは黒鼈甲の部分に淡いピンクの珊瑚とシードパールを嵌め込み、白鼈甲の部分は唐草文様に透かし彫りしたモダンな感じの簪。全体の角張ったデザインと透かし彫りの唐草が描く曲線の対比が気に入っています。
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そして繊細といえばこの簪。牡丹の花を彫りだした周りを唐草文様を透かし彫りした白鼈甲で取り囲んだエレガントな意匠。この唐草文様が細かいのです!よくもまぁこんなに細かい仕事をしたものだと感心して眺めてしまいます。こちらは珊瑚の牡丹も良く彫り込まれていて、薄く彫られた花びらの先で指を切りそうになりました。
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恐らくこういう細かい仕事をする職人さんが減っているのでしょう。まぁ需要も少ないでしょうしねぇ。今はこの様な技術や素材に変わって、もっと扱いやすくコストの掛からない素材が沢山ありますし、それらを大量生産する手段も確立されていますから。
しかしながら、こういう素材を選び時間を掛けて作られた『良い仕事』のものを目の当たりにすると、細々とでも守っていきたい、守らなければいけないもののような気もいたします。その為にも「いくらでも私が買ってあげますから!」と言えればよいのですが・・・。(無理です!)


織りや染めをはじめ、蒔絵や細かい細工の金工や彫・・・日本人が得意としてきた繊細で美しい『工芸品』の技術を失わせないために何ができるのでしょう。
非力でたいしたことは出来ませんが、「半世紀ちょっと前には、日常生活の中にこんなに美しいものが存在していたのよ」ということは発信し続けたいなぁと思っています。


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可愛いお花の簪 [櫛・簪(かんざし)]

子供の頃から「可愛い」という言葉が縁遠かった私。それ故に「可愛い」モノに強く憧れ、身に付けたがる傾向があります。

例えば好きな色はピンク。ピンクの小物、多いです。洋服でもフリルやフラワープリントが大好き!そしてキラキラしているもの。この写真が全てを物語っています。
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これは私の使っているスマートフォン。スワロフスキーを使って自分でデコレーションしました。まさにピンクのキラキラ。そして着ているニットはビーズ刺繍の入ったピンクのフラワープリント!(笑)

アクセサリーも可愛いモティーフのものが多いです。例えばこんな感じ。
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星、ハート、お花。石は本物に拘りますが、デザインはおもちゃの様な可愛いものが好きです。

他人から見て似合っているかは別として、普段の生活では可愛いモノを抵抗なく身に付けている私。しかしながら、着物となるとちょっと違ってきます。最近そのことについて何度か触れていますが、どうも着物の時には可愛いモノに抵抗がある。気になるので身に付けてはみるのですが、どうもしっくりこない。「見慣れていないから」というのが理由なら良いのですが、そう言い切る自信もなし。根本的に私の発する雰囲気に問題があるような・・。

とはいいつつも、一応女の子(「子」という年齢ではないが)なので、着物関係でも可愛いモノに目が行くのです。この簪も見た瞬間「キュン」となって、思わず手にしてしまったもの。
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可愛いです。いわゆる『練り物』で作られた象牙(ちゃんと縞目まで作ってあります)と瑪瑙のような色合いの花を模った簪。『練り物』とはベークライトなどを代表する今で言う『樹脂』になります。もっと判りやすくいうと、プラスチックの一つですね。ですから軽いし、扱いやすい。

本物の象牙や石で作られたものはもちろん高級感があって素晴らしい。でも、可愛さを強調する時にはこういう素材も良いのではないかと、いや むしろ適しているように思います。このおもちゃのような感じが良いのです。甘さが際立つ気がしませんか?

・・ただ、やはり似合わなかった。ちょっと遊んだ感じの着こなしの時にどうかと思ったのですが、ダメでした。で、ちょっと大人っぽさを出すために真珠を取り付けました。そう、花の中心の真珠は本来ありませんでした。真珠をつける事で「大人の可愛さ」を演出してみたのですが・・・う~ん、それでも私の雰囲気じゃないなぁ、やっぱり。


実はこの簪を初めて見た時、着物友達の一人を思い浮かべました。あくまでも私のイメージなのですが、この簪が一番似合うのは彼女だと直感しました。とても可愛い方なのですが、何よりも素晴らしいのが彼女の笑顔。いつも周りの人間をも幸せにする、大変魅力的な笑顔を見せてくれます。私も、彼女に会うとhappyな気分になる。そしてお洒落さんなのです!着物もとても可愛く、上手にコーディネートされるので、いつも楽しみに拝見しています。
そんな彼女なら、私の手に負えないこの簪を生かしてくれそう。簪も喜んでくれそう。・・時間の経過と共に、ますますその思いを強くしました。ですから、いつか何かの折にこの簪を彼女にプレゼントしたいと思っていました。

その彼女が、今春お嫁に行かれることに!おめでとうございます。心からお慶び申し上げます!!
で、こちらの簪をお祝いに差し上げる事に致しました。本来 結婚祝いならばもう少しちゃんとしたものを差し上げないといけないのかもしれませんが、彼女にもお断りをしてもらっていただく事に。簪もお嫁入りです。ようやくこの簪が生きるかと思うとすごく嬉しいです!

彼女の笑顔があれば何の心配も要りませんが、どうぞお幸せに!衷心より祝福の気持ちを込めてこの簪を贈ります。



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最初の1本と今一番お気に入りの1本 [櫛・簪(かんざし)]

最近 帯留ばかり取り上げているので、時には髪飾りを。

何かのコレクションをされている方なら、誰にでも思い出の「最初の1つ」があると思います。私にもあります。

大学を卒業後 東京でOLを始めたころから、生まれ育った京都の生活の中で当たり前に存在していた「和文化」が実は失われつつあるものなのだと感じ、祖母や母のお下がりの着物を着始めた・・ということは前にも書かせていただいたかと思います。その早い段階から祖母からもらった珊瑚や彫金の帯留を数個持っていましたが(まだ使いこなせてはいませんでした)、 髪飾りは一つも持っていませんでした。

で、髪飾りが欲しいな、欲しいな・・と思っていたある日。あれは入社3年目の暑い時期、初めて独りで徳島へ出張に行かせていただく機会に恵まれた際です。父の実家がちょうど徳島にあるのもですから、出張後に有給休暇をくっ付けて、久々に父方の祖母や親戚にも会いに行きました。

その帰りに、骨董収集を趣味にしている叔母が、徳島空港近くの骨董屋に連れて行ってくれました。雑然とした骨董店・・と言うよりは、「古道具屋」。私には価値のわからない皿や置物などが所狭しと置かれていました。しかし京都や東京の骨董屋よりは遥かに敷居は低そうだし、こういう所にこそお買い得品があるかもと思い、店主さんに「簪とかありますか?」と聞いてみました。

「少しならあるよ」と言って出された商品は、今にして思えばおもちゃのようなものばかり。でも当時の私にはそれでもお宝でした!しかもすごく安くて、喜んで櫛、簪、笄、それぞれ一つずつ買いました。

その時の簪だけが、今も私の手元にあります。元はセットモノだったと思われる鼈甲の簪。先の七宝が気に入りました。価格は確か2,000円程度だったと思います。
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残念ながら笄は壊れたので処分、青貝の菊が嵌め込まれた塗りの櫛は他所へお嫁に行きました。この簪も使わないのですが、「最初の1本」として大切に保存しています。あまり良いものではないですが、やはりこれが原点なので。

・・・あれから20年近く経ち、買える時に手の届くものをコツコツと集めてきたので、数だけはそこそこ増えたように思います。後悔している品もあれば、何度見ても飽きないほど気に入っているものもあります。
今一番気に入っているものを一点選ぶとするならば、こちらでしょうか。
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銀杏のように先が広がった黒鼈甲の簪。中心に嵌め込まれたトルコ石と、チューリップの様な花を彫りだした白鼈甲が『オトナ可愛い』印象ですが、どちらかと言えばシックですっきりとしたコーディネートの時に愛用しています。

これからも「一番お気に入りの1本」は変遷していくでしょう。しかし、「最初の1本」は変わることがありません。くだらないものでも、傷んできても、大切に手元に置いておきたいと思っています。







タグ:髪飾り
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