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丸帯の仕立直し [帯]

NHKの朝のドラマにハマっています。岸和田が舞台の今回のドラマ、台詞回しなどが関西人の笑いのツボを押さえていて面白いのです。NHK大阪局制作の朝のドラマは「コテコテの人情モノで嫌」という関東の友人も多いのですが、今回は評判上々のようですよ。特に着物好きには。まぁ、「古い着物が好きな」と限定されるかもしれませんが・・・。毎回、昭和に入ったばかりの頃の着物や髪型に、注目している方も多いようです。

今朝は主人公・糸子の祝言のシーン。糸子ちゃんの白無垢姿も綺麗でしたが、宴席に集う女性の着物姿からも目が離せませんでした。特に大人の女性の黒留袖。「あぁ、もうちょっと前柄見せて!」と画面に被りつきで見ておりました。

皆さんがお召しの留袖は、中には「あ、これはちょっと新しいものかな?」と思う柄もありましたが、帯に関しては皆 丸帯であったのではないでしょうか。時代に忠実であるならば、昭和1ケタはまだ袋帯はない筈ですから当然ですね。

丸帯は良いですね。あの重厚感が好きです。しかし、いざ締めるとなるとなかなか大変。染の丸帯ならまだ良いのですが、しっかりした織の帯地の丸帯は結ぶのに一苦労です。芯もゴワゴワした帆布であることが多いですから。祖母から譲り受けた丸帯は、使いやすいように全てお手入れをして芯を軽いものに変えてもらっています。

ところで、お手入れして芯を変えてもらおうと思って解いたままもう随分と放置されている丸帯があります。吉祥紋様などが多い丸帯の中ではちょっと変わった、趣味性の強い柄と色の丸帯です。こんな感じ。
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・・かなり強烈なインパクトがあります。地色は何色だろう?唐紅かな?ピンクに近い赤です。そこに織り出された無数の南蛮船。南蛮船の帆のグラデーションが鮮やかなんだ。
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南蛮船と波は膨れ織の様な感じで浮き出ています。
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そして細かい部分まで手を抜かずに織り出されている。ここがお気に入り。
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何故 この丸帯が解かれたまま放置されているかというと、「合う着物がないから」。着物をシンプルにしないと、ちょっと悪目立ちしますよねぇ、きっと。 それと、もう一つの理由が「どの様に仕立て直すか迷っているから」。

丸帯を解くとこの様な状態になります。そう、帯幅の二倍で織られて、半分にして仕立てたのが丸帯なんですね。
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丸帯を仕立て直す場合には次のパターンが考えられます。
 ① 丸帯として仕立て直す(芯のみ変更)
 ② 半分に切って、1本の袋帯(全通)を作る
 ③ 半分に切って、2本の袋帯(六通)を作る
 ④ 半分に切って袋帯(全通・六通)と名古屋帯を作る

他にも方法があるかもしれませんが、だいたいこの4つのパターンが多いのではないでしょうか。何れにせよ、長さの有る丸帯なら良いのですが、短い場合は布を足した方が締めやすくなります。ですから①は長さを足す場合があります。②は、短い丸帯を半分に切ると長さが2倍になるので、それを継いで1本の全通袋帯を作るということ。③は短い丸帯を半分に切って、それぞれに布を足し六通の袋帯を2本作ること。そして④は、②や③の方法で袋帯を1本作った残りの帯地に布を足して名古屋帯や作り帯にすることです。

このど派手な南蛮船の丸帯も、当初は③で2本作って1本売ろうかなと思ったのですが、よく見ると引き抜き柄(オランダ線より上が逆さに絵付けされているもの)になっている。しかもオランダ船より下も逆。あれ?こちらは手先かなとおもいきや、反対側にはオランダ線も界切り線も無い。??
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まぁ、オランダ線・界切り線の無い方を垂れとして使えば問題ない話なのですが、何か気になってそのままにしています。

そしてもう一つ。

丸帯が少なくなっている昨今、やはりこれは真ん中で2つに分けてしまわず、丸帯のままで残す方が良いのではないかという考えも頭をよぎるから。特に、よく見かける吉祥柄とは違った趣味性の強い丸帯は、資料として後々に残した方がよいかなぁとも思うのですよ。

う~ん、迷いますね・・・。そうして仕立てないままになってしまいそう・・・。


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タグ:丸帯
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江戸時代後期の打掛で作られた帯 [帯]

ちょっと前にヤフオクで古い打掛を見ていたら、面白いものを見つけました。いわゆる江戸後期の定型化した武家女性の打掛を帯に仕立直したもの。
江戸後期や明治初期の打掛の良いものは、やはり数十万(魅力的な柄は50万円以上が当たり前です)するの買えませんが、その帯は頑張らなくても手の届く値段。さぞかし入札が殺到するすると思いきや、入札者は無く、あっさり私の元へ。それがこの帯。
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恐らく 『小袖展』などをご覧になった事のある方は、「こんな感じのもの見たことある!」と思われるはず。
江戸時代、武家の女性の冬の正装は打掛でした。その打掛にも決まりごとが色々あり、中臈以上(大奥の階級で上級の女中)の内掛けは白・黒・赤の綸子地に、草花の折枝と立涌や紗綾型、七宝繋ぎなどを交互に配した総文様が決まりであったそうです。
ですから、この定型化された文様の内掛けは、そのままの状態でも沢山残されているのではないでしょうか。衣装を取り上げた書籍などにも、必ず1点は出ていますよね。

この帯はそんな打掛を帯にしたもの。帯になってもその特徴を充分に見せています。
例えば本紋(紗綾型地に菊と蘭をあしらった織柄)の綸子地に、黒とこげ茶の摺と繍い(刺繍)で表された瑞雲と藤の枝。
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こちらは菊立涌に葵。
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これらの文様が交互に配された打掛が容易に想像できます。

1枚目の写真でも判ると思いますが、実際はかなり小柄な方の内掛けであったと思います。江戸時代なのだから当然ですが、かなり身幅が狭かったのだろうということが、余白部分で推察できます。
そして良い所取りをして作ったのか、剥いである部分が沢山あります。
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仕立て直しの時期は定かではありませんが、帯芯は比較的新しいもののようです。生地の傷み具合などから見て、数回仕立て直されたのかもしれません。まぁ、100年以上も前の布ですから、傷んでいて当然ですよね。
1度は締めてみたいと思っていたのですが、今回『意匠を学ぶ会』で使用するにあたって細かな部分まで目を通していたら、小さな破れがいくつか見つかりました。残念ながら着用はちょっと厳しい感じです。

しかしながら、これが100年以上も前の武家の「キャリアウーマン」(私は上級の奥女中はキャリアウーマンの先駆けだと思っています!)の正装だったと思うと、手にしているだけでちょっと力がもらえる感じがするのです。「私も頑張ります!」という気持ちになります。
もちろん、刺繍や染の技法 或いは布を間近で、好きに観察する事ができるという点で貴重な資料でもあります。美術館や博物館に収められているものは、触れませんものね。

特に目を凝らしてみていると、下絵の線が残っていたりして。そういう発見をすると、すごく嬉しくなります。だって江戸時代の職人さんが描いたんですよ!この葵の葉っぱの中に下絵の線が残っているのがお判りいただけますでしょうか。
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流れとしては、この武家や公家の『小袖』が現代の「着物」へと変遷してゆくわけです。
着物の事をもっと深く知る上で、この時代の衣装についてももっと深く学んでみたいと思っています。


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タグ: 打掛
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龍村美術織物『ダロウ渦文錦』 [帯]

7月に龍村美術織物さんの販売会があったときに、ちょっと個性的な帯を買ってしまいました。・・・「ちょっと」じゃなくて、「かなり」個性強いかな。
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何とも不思議な文様の帯です。7月末で仕事を辞めることが決定していたので、今回の販売会では帯の購入は我慢しようと思っていたのですが、この不思議な魅力に惹きつけられ買ってしまいました(汗) 7月は誕生日月なので、ついつい自分に甘くなっちゃうからダメなんですよねぇ・・。

この龍村らしからぬ不思議な文様、『ダロウ渦文錦』と名づけられています。「ダロウ渦?何だろう??」 調べたのですが、今日まで判らずに来ました。
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がっ!たまたま今日見つけました。これは『ダロウの書』というものを題材にしているらしいでのす。

『ダロウの書』とは、『7世紀に制作されたアイルランド様式の装飾写本で「ケルズの書」、「リンディスファーンの福音書」とともに三大ケルト装飾写本のひとつとされる』(Wikipediaより)らしいです・・・って、よく判らないですね。wikipediaの説明文を全て読んでも判り辛いのですが、650年頃にアイルランドで制作された世界最古の装飾福音書写本とのこと。その装飾の一つがこれです・・・
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・・・そのまんまですねぇ。色も殆ど同じような感じなのかな。見比べれば見比べるほどに面白い!

これが、wikipediaの説明にある『三脚巴文』というものかな。ぐるぐる、くるくる、楽しい文様です。
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しかしながらこの帯、どんな着物に合わせましょうかねぇ。個性が強すぎて、ちょっと考えちゃいます。
お気に入りのモダンな訪問着に合わせる袋帯が欲しかったのですが、『ダロウ渦』を乗っけてみると柄が喧嘩した。
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もうちょっとシンプルな着物に合わせないとダメかしら。『ダロウ渦』ちゃん、主役になりたい子みたいなので(笑)


タグ:着物
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華やかな帯結びの練習 [帯]

一応 『一級着付士』の認定証を頂いてからも、着付け教室のマスターズクラスに通っています。

通常のマスターズクラスは、最低月一回 お教室に伺い技術のブラッシュアップをするというもの。新たな帯結びを教えていただいたり、更に向上を目指して細かな部分の技術チェックなどをしていただきます。

しかしながら今月から年末までは月三回に増やして通うことにしています。何故ならば、来年の成人式に向けて帯結びの練習(いや「特訓」かも!)を行っていただいているからです。普段はなかなか振袖の変り結びをする機会がありませんから、「短時間で美しく」そして、その場でお客様の体形や雰囲気、またお持ちになった帯を拝見して一番相応しい帯結びが出来るようにしっかりと技術を身に付けなくてはなりません。一生に一度のおめでたい日を台無しにしちゃったらいけませんから・・・。

昨日は新しい帯結びを3つ教えていただきました。あ、着せ付けている振袖の趣味が悪いのと(練習用に買ったものなので・・)、着崩れ気味なのは(何度も帯を解いたり結んだりしているので・・)気になさらないで下さい。
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・・楽しいです。帯結びは無限です。一本の帯がこんなに表情豊かに変わるなんて。羽根の大きさを少し変えるだけで、向きを変えるだけで、全く違った表情になります。
楽しくって色々遊んでみたくなりますが、これが人相手となるとそうはいかなくなるのでしょうね。アンティーク着物屋さんに勤務していた時も、試着などの着付けはものすごく緊張しました。帯だけではなく人体にも慣れないと・・。

帯を変えてまた違った雰囲気。
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ちなみにこの趣味のよろしくない振袖、前から見るとこんな感じ。
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アンティークの刺繍半衿を合わせていたり、帯締めだけが道明だったりとかなりチグハグ。あくまでも練習用ですから。間違っても私の趣味ではないですから!



タグ:帯結び
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白い帯 [帯]

今日 買い溜めしている反物の整理をしていて見つけた未仕立の帯・・・かれこれ15年ほど前、まだ刺繍を始めて間もない頃に作った帯です。いや、「帯を作りました」と言うよりは、「初心者向けの課題を無理やり帯にしました」と言うのが正しいのですけれど。

私が通っている(現在 休会中)鎌倉の秋山刺繍研究所では、入会すると まず初心者向けの課題3作品に取り組みます。その後は全く自由。着物を刺そうが、額に入れる作品を作ろうが、図案も糸の色も全て好きなように選んで作品を作らせていただけます。技術はしっかり教えていただけて、かつその自由さが性に合って、飽き性の私も何年も続けられました。

で、その初心者向けの3作品。最後の3作品目の図案がすごく良いのです。3つの扇面が散っている図。まだ初期の頃の作品なので(と言っても、始めてから5年は経っていた・・仕事しながらだったので、歩みの遅い生徒でした・・)アップにするのは勇気が要るのですけれど、扇面それぞれの詳細。
波千鳥。ちょっとリアルな千鳥です。
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色々な技法を組み合わせた扇面。
扇面 (2).JPG

そして大好きな藤の花。
扇面 (3).JPG

全体を見るとこんな感じになります。
扇面.JPG

刺繍の腕前はさておき、なかなか素敵な意匠だと思われませんか?
これを練習で終わらせちゃうのは勿体無いと思ったのです。ですから先生にお願いして、帯に刺繍させていただきました。しかも初心者なのに、寿光織の銀通しの帯地で。今にして思えば勿体無い・・・。

この頃はまだ今ほど着物を着てはいなかったのです。好きでしたが、かなりハードに仕事をしておりましたし、独り暮らしのワンルームマンションには着物を置くスペースも無く、結婚式やお茶会のたびにわざわざ京都の実家から送ってもらって着ている状態でした。ですから、あまり何も判っていなかったと思うのです。

・・だって・・だって・・・この帯の前柄、これなんだもの。
扇面 (4).JPG

お太鼓は課題ですが、腹の柄は自分で図案をおこしました。(もちろん先生に手伝っていただきましたよ!) 思い切り、秋の感じです。菊に
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渋い色合いの竹・・。
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お太鼓が晩春~初夏っぽかったので、腹は秋柄ととでも思ったのでしょう。でもなぁ、真っ白の銀通しの帯地に秋柄はちょっと違うかなぁ・・。


先日 日経新聞のコラムに、幸田文さんか青木玉さんの随筆を引用して「白色(の着物)が、浮き立つようになってきたら、夏が終わり秋になる合図」というような事が書かれていました。(要約です。詳細が思い出せないので記事を探してみたのですが見当たりません。)
確かにそうなんですよ。夏の太陽の下によく映えた白い服が、ある日何だかおかしい感じに見える。それが秋が来たということなんですね。


話を元に戻しますが、白の帯ってお洒落で大好きなんですよ。春夏はもちろん、冬の白い帯なども素敵でよね。でも秋ってどう思われます?私は何となく、秋だけは白が似合わない気がするのです。
洋服の場合でも同じ。春夏はさておき、冬の白いウールのジャケットやニットのワンピース。私は大好きです。でも秋の白い服って、トップもボトムも考えつかない。え?私だけですか?

この帯も、せめて白生地のまま刺さずに、何か淡い色に染めてから刺繍すれば活用できたのでしょうけれど・・。この真っ白な地色はたとえ秋柄でもちょっとなぁ。お太鼓とのバランスも悪いし。

これは逆巻きの腹に春柄を刺すしかないですねぇ。じゃないと一生仕立てない。桜と青紅葉とか。菖蒲や牡丹でもいいけれど。でもなぁ・・今更 15年も前の作品に足すのもなぁ・・・

・・そうして、また桐のケースに仕舞われた反物でした・・・





タグ:刺繍
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