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『雲取り』 [日本の文様]

着物や帯には、実に多くのタイプの雲が描かれています。一番よく見るのは『源氏雲』。『源氏物語絵巻』に使われていることからこの名前がついたと言われています。
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そして多くは『源氏雲』なのですが、雲の文様の中、或いはその周辺に草花や風景をあしらったものを『雲取り』ということは着物をお召しになる方ならご存知の事だと思います。

さてこの『雲取り』、先に説明しましたとおり「雲の文様の中、或いはその周辺に草花や風景をあしらったもの」というような説明がなされている場合が多いのですが、そのあしらう文様が雲の「内」か「外」かで呼び名を変えている場合もあります。そう、「外」の場合は『逆雲(ぎゃくぐも/さかぐも)取り』、或いは『裏雲取り』とも言うようです。

つまり、雲の中に牡丹が描かれているこの帯留は『雲取り』・・・
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雲のシルエットの間に風景が描かれているこの留袖は『逆雲取り』『裏雲取り』と言うわけですね。
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『雲取り』の効果は、空間を自然に区切ったり、時間の移ろいを暗示させる、その奥にあるものを連想させる(奥行きを感じさせる)などがあると思います。実に上手い手法だなぁと思います。
自分も刺繍をする時、あまり沢山刺すのが面倒な時などはちょちょいと一部を雲で覆ってみたりすると、「楽」かつ「いい雰囲気」が出たりで助かります(笑)
また着物に限らず絵巻物などでも、この雲が描かれていることで、例えば四季の移ろいや、実際は距離のある風景なども自然に一枚に収める事ができていますよね。「雲のワープ効果」と言いますか、雲によって時間や距離のひずみが吸収されていることを感じます。


ところで、同じような効果を持たせて描かれるものに『霞』があります。だいたい霞の間に風景や草花などが描かれていますが、これは『逆霞取り』或いは『裏霞取り』と呼ばれないような気がします(web検索しても出て来ないです)。何故でしょうね?

何れにせよ、『逆雲取り』も『霞取り』も日本的な美意識を感じる表現方法だと思います。先に述べた効果だけではなく、例えば御簾越しに見るものの美しさ、ダイレクトにものを見ず何かを通してみた時に通常とはまた違った美しさを感じ取る、その様な繊細な美意識が生んだ表現ではないでしょうか。


因みに私の持っている帯は、雲も霞も描かれています。効果倍増・・・という訳ではないですね。
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タグ:文様 雲取り
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重陽の節句に寄せて ~菊の意匠~ [日本の文様]

今月23日の『第一回 意匠を学ぶ会』の資料ネタ集めで箪笥の中を引っ掻き回しております。

第一回目の今回は『菊』をテーマに選んでいます。
本日 9月9日は『重陽の節句』、別名『菊の節句』ですが、まだ菊が咲く季節ではありません。そう、本来は旧暦での9月9日ですから、10月の半ば頃になるのでしょうか。ちょうど菊の花が見ごろになる時期なのです。ですから、『意匠を学ぶ会』では来月に向けて菊をテーマに選びました。

・・まぁそうは言っても、折角なので菊の話題を。

花の意匠の面白いもので、「花を裏側から見た図」があります。日本人らしい、全方位から美を見出す感性が生んだ意匠ではないでしょうか。ただ 花を正面や横から捉えた意匠はどの花にも見られると思うのですが、裏から捉えられる花は限られていると思います。

有名なのは梅。時々 着物や帯の柄として見かけますが、家紋(裏梅)にもなっていますね。家紋ベースでは桜、桔梗、牡丹なども裏側から描かれていますが、こちらは梅のように単体として着物・帯に描かれることは滅多に無いように思われます。(沢山の花の中で裏を向いているものがあったり、簪などで裏表を作る意匠は見られますが。)

菊も梅に並んで全方位から描かれる植物のうちの一つです。一般的なのは、この様な正面に近い捉え方。手持ちの織の名古屋帯から。
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横からの意匠もよく見られます。染の付下げ。
CIMG4862.JPG

そして裏。裏の意匠のものは流石に持っていないと思っていたのですが、名古屋帯がありました。額の部分が
ビロードのアップリケになっています。
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・・あと菊にはもう一つ珍しい意匠があります。それは「葉っぱだけ」のもの。元々 葉っぱを愛でる植物、例えば松や笹、紅葉、銀杏・・などは葉っぱだけで描かれて当然ですが、花を愛でる植物でその葉っぱだけを意匠にするのはかなり珍しいのではないでしょうか。

葉っぱだけの菊も持っていました。玉で出来た菊の葉っぱに、銀の蝶が2頭(匹)の簪。花は無いのに、菊の香りが漂う様な意匠です。
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この様に、一つのものがどう捉えられ意匠化されたのかを見てゆくのも楽しいものです。日本人の感性の豊かさに触れ、新たな発見を得ることが出来るような気がいたします。



9月23日(祝)開催の『第一回 意匠を学ぶ会』では、この様な内容にも触れながら(実物を見ていただきながら)話を進めてゆく予定です。 ご興味をお持ちの方は、 こちらをご覧下さい。



タグ:意匠
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麻の葉文様 [日本の文様]

先日 中谷比佐子先生の勉強会に参加した折話題になっていたのが「麻」。麻には土壌浄化作用があるらしいという話題から、やはり着物の方へと会話が流れ、「麻の葉」文様の話に行き着きました。そこはやはり着物の勉強会!(笑)

麻の葉文様は皆さんよくご存知だと思います。六角形の中に六個の菱を結んで星形をつくり、その中心と各先端を放射線で結んだ幾何学文様ですね・・・文章で書くと判りづらいな。一応これです。
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星の様な形が、麻の葉に似ているところからこの名で呼ばれるようになったそうです。

麻は成長が早いことから、昔は子供の産着などに麻の葉文様のものを選んだとのこと。
そう、NHKの『おひさま』をご覧になっている方ならば、今週 主役の陽子ちゃんが産んだ赤ちゃんが赤白の麻の葉文様の産着を着せられているのを目にされていると思います。「?」と思った方は、こちらをご覧下さい。


中谷先生の勉強会にも、80代の方が2名いらしていて(お二人ともとてもお元気で素敵な方でした!)、「昔は子供には麻の葉の着物を着せたわよね」「”おしめ”も麻の葉にしたわ」などと話されていました。こういう実体験を伺う機会ってどんどん少なくなりますから貴重ですよね。着物で過ごしていた祖母にも、もっともっと着物の話を沢山聞いておけばよかったと思う今日この頃。


実は勉強会の日に、朝顔の着物に合わせていた帯揚げは麻の葉柄でした。白地に濃紫で麻の葉が型染めされた変わり絽の帯揚げ。何故か夏の着物は濃紫色が多いので(祖母の趣味あったということなのですが・・)、それに合わせて購入しました。
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どちらかというと柄物の帯揚げは苦手なのですが、これは麻の葉が気に入っています。まぁ結んじゃうと、何の柄だか判らないのですけどね。
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※商品のアップ状況などは随時twitterにて発表します!
  • nakamura_tsurunakamura_tsuru今晩 21時半ごろに帯留2点アップします。本日は瑪瑙と珊瑚のオーソドックスな感じ。宜しければご覧下さい。07/28 01:54


お正月に合わせたい「南天」文様 [日本の文様]

お正月休み、いかがお過ごしでしょうか。私は、昨日は姑と待ち合わせて初詣、本日はこれから旦那の弟が来るので、バタバタと忙しく過ごしております。実は、今年初着物もまだです。やはり三が日が過ぎないと落ち着かないかな。

さて、「松竹梅」「宝尽くし」「扇面」・・お正月に合わせたいおめでたい意匠は沢山あります。どれも素敵で大好きなのですが、中でも季節感があって好きなのが「南天」。南天は「難を転じる」に通じて、縁起の良いものとされています。よく鬼門にも植えられていますよね。

特に今年は、運勢の悪い私。九星でも、六星占術でも「停滞運」の年。しかも旦那は本厄。こんな時こそ、「難を転じる」南天柄を身につけたいものです。

私の持っている南天ものと言えば、この帯留。昨年末のコーディネートにも使用していましたが、鼈甲に真珠で南天を模した素敵なデザインで大変気に入っています。だたし、残念なことに鼈甲が虫食いだらけ。かなり状態は悪いです。それでも着用すると、それを感じさせないほど存在感のあるものです。
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この櫛もお正月によく使います。飴色の鼈甲に赤い珊瑚の南天と、白蝶貝のぽってりした菊が華やかな櫛と笄のセットです。真珠の南天も素敵ですが、やはり珊瑚のほうがより南天らしい雰囲気が表現できますね。
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これは扇子の地紙に四季の花々が咲き乱れる蒔絵螺鈿櫛。
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この中にも南天があるのですが、櫛には銀象嵌と螺鈿、そして笄には朱の塗りで南天が表現されています。この3種類の南天の細工が美しい!この細工に惹かれて手に入れた櫛だと言っても過言ではないくらい好き。
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でも、この南天のある方は櫛の裏。表には、女郎花、梅、蔦、菊、桜、水仙、桔梗。裏には南天。笄に鉄線、笹。裏表、笄それぞれに美しいのですが、やはり表が一番 蜜に細工がなされていて豪華。
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こちらの帯留めも南天でしょうか。これは正直良く判らないのです。葉っぱや真珠の実の感じは南天のようにも見えますが、真珠を「花」と捉えると別のものに見えてくる。ただこの時期に付ける場合は、南天だと思っていただけるのではないでしょうか。
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・・・と、紹介するのは小物ばかり。南天柄の着物と帯は持っていないのです。メインの花に隠れるように「黄色い南天」が描かれた訪問着などはあるのですが、いわゆる南天らしい南天ではない。ですから南天は、南天をメインにしたデザインでいつか自分で刺繍したいと思っています。もうデザインも決まっているのですよ。

私が刺繍したいのは、歌舞伎の『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』「御殿の場」に出てくる政岡が着ている打掛の「雪持ち南天」。『伽羅先代萩』は伊達家のお家騒動をベースにした作品なので、セットや衣装に伊達家の紋である『竹に雀』が描かれています。政岡の打掛も雪持ちの竹に、雀が舞う姿を刺繍した素晴らしいものなのですが、その裾には雪持ちの南天も刺繍されています。Web上で参考にしていただける画像がないか探したのですが、見当たらなかったので、家にある図録からその画像を拝借。こんな感じです。
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これを着物にするか、帯にするかが悩みどころなんですけれどね・・・

景気も悪く、暗いニュースばかりの昨今。「難を転じる」様、新年の装いに南天文様をおすすめしたいです!


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